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深夜に響く犬の遠吠え

体験者:Kさん
場所:唐津市

牢屋

私が住む唐津市にはたくさんの心霊スポットがありますが、それ以外に地区以外の人には言ってはいけない話も多々あります。

今回は言ってはいけない話を場所がわからない程度にお話しします。
もしこの話を聞いて興味本位で行ったりしないようにお願いします。

丘の上にある一軒家

私の実家の近所に丘の上に建てられた古い一軒家があります。
その家にいくための私道があり、地域の人はその家に行く用事がない限り通りません。

その家には自分がまだ若い頃、約20年前に遡りますが一人の老人が住んでいました。
私の実家は私道を降ったところにあるので老人が行き来するのが見えました。

子どもながら不気味だなぁと思っていて、親にも勝手にあの坂を登ったらいけませんよ、と伝えられていました。しかし子どもの好奇心には勝てず、友達数人で夜中こっそりと坂を登ってしまいました。

坂を登り切るとホームセンターで売っているような門、そして奥には庭が見えました。
庭の奥に、牢屋みたいな鉄格子が見えました。

鉄格子の中には、何か動く物体。
どことなく、光る目がこっちを見ているように思え、僕たちは走って坂を降りました。

鉄格子の中の生き物

翌日、友達同士で昼間に行って昨日みた鉄格子の正体を突き止めようと坂を登りました。
そこで見たものは、鉄格子の中にいたのは「ドーベルマン」でした。

「なぁんだ、犬かぁ」

と、子どもながら安堵しましたが、
「でもあそこの犬、散歩させてるのを見たことないんだよねぇ」

散歩出来ずにずっと鉄格子に入れられた犬をかわいそうだなと思っていました。

その後、丘の上の家は

それから10年くらい経った頃、丘の上の老人は自宅で衰弱死で亡くなったことを親に聞かされました。
身寄りのない方だったみたいで、親戚や子どももおらず町内会でも顔を出さない老人でした。

数日経ったある夜、犬の遠吠えが聞こえてきました。

「あれ??もしかして丘の上のドーベルマン、まだ生きてんのかな!!」

だとすれば、かわいそうだ、ずっと檻にいれられて・・。
手当たり次第、餌になりそうなものを持ち、坂を登りました。

門を開けて真っ暗な中、子どもの頃にみた鉄格子に向かいましたが、そこには何も入ってませんでした。
犬がいなかったことに、少し安心した自分ですが、門へ向かおうとした時です。

はぁはぁはぁはぁ

犬独特の息使いが背後から聞こえ、振り向くと微かな獣臭がする。
なんとなく餌を求めていたような気になったので、鉄格子に餌をいれて立ち去りました。

寝ようとすると体に異変が

餌をあげて、というか置いてきて家に帰りました。
リビングでくつろいでると親が、「おいK、なんか臭いぞ、何の匂いだ」というのです。

もしかして鉄格子のところで匂いがうつったかと思ったのですぐに風呂に入り体を洗いました。
もう寝ちゃおう、と思った時、部屋中が犬の独特な匂いが漂ってきました。
そして耳元では「はぁはぁ」という吐息。

やばい、犬が憑いてきた。

そう思ったのと同時に

わぉおおおおおおおおおおおおん!!!

という遠吠えが鳴り響きました。
親も何事か!と部屋に入ってきましたが何もなく、
「夜中にうるせぇよ!」と怒られるだけでした。

もう寝よう!!と布団に潜り、うつらうつらとなるタイミングに

さぁ、さぁ、さぁさぁ

という音が。畳をすり足で歩いているかのような音がしてきました。

また犬かよ、、と思った次の瞬間

男の喚き声が「うおおぉお、、うぉおおお、、」
そして段々と近づいてくる。

恐怖で体が動かなくなり、恐る恐る布団の隙間から外を覗きました。

「犬はどこだぁぁああぁぁぁ」

と老人が叫びながら詰め寄ってきました。
あまりにも恐怖で気を失いました。

後日談

今でも丘の上にある家は廃墟になっていますが存在します。
そして、夜中になると犬の遠吠えや、坂道を歩く老人を見ることがあります。
さらに老人が鉄格子に入り、ガンガンと何かを叩く姿も見られます。

この話は町内では有名ですが、誰も他の人には話してはいけない、というルールがあります。

もし話をしたり聞いたりしたらどうなるか、

それはこれを読んだ皆様が体験することでしょう。


怪奇社からコメント&考察

インタビューありがとうございました。
話を聞いている際、ばけたんが赤く染まっていました。サイレンみたいな音がなるんです。
結構ビビります。

とても怖かったので、無かったことにします!

とは言えないのが怪奇社です。
実際、村の中だけしか聞けない話、門外不出の怪談はインタビューをしていくと多々ありました。
この唐津の話もインターネットでは初の話になるかと思います。

奇妙なのは、一度も犬の散歩をみたことがない、というところです。
そして霊になって何かを叩く姿。
生前に老人が何をしていたのか、犬に対する執着、という部分が見られます。

この地域を検証しようと相談したのですが、地域の目というものがあり拒否されました。
歴史的に何かあるような気もしますが、深入りしてはいけない情報もこの世にはあります。

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