投稿者:TEKKEN
体験場所:競馬場
約40年ほど前、某競馬場のトイレで、1人の中年男性が自決した有名な話しがありますが、実は…この話しには続きがあるっ事、ご存知でしょうか?
この男性は剥き出しにした電気コードを、自分の左胸にガムテープで貼り付け、それを換気扇用コンセントに自ら差し込んで絶命すると言う壮絶な最後を遂げられました。
現場に落ちていた競馬新聞には、赤のサインペンで『馬鹿だなオレは。お馬で人生アウト。ごめんなさい、マヌケより。』と、書き残されていたとの事でした。
「当たったら人生をやり直そう。しかし外れてしまったら…」と想い、一世一代の大勝負に人生を賭けたのだろうと推測します。
競馬に人生を賭けると言う事は、よく聞く話しですが、遺書になった走り書きからも、並々ならぬ覚悟で最後の大勝負をした結果外れてしまい、「もうこれでお終いだ…」と言う絶望感と無念さがうかがい知れます。
問題はこの事件直後から、いまでも続く知る人ぞ知る怪奇現象です…
ここから先は友人Aから聞いた、この競馬場トイレでの恐怖体験になりす
いつもの通り競馬を楽しんでいた、ある日曜日のことですが、ほとんど人影もまばらになった最終レース終了後、急に便意をもよおし、近くにあったトイレへ駆け込んだA。
和式の便器にまたがり用を足していると、背後から強烈な視線を感じましたが、そんな事は勘違いも含めれば日常いくらでもある事なので、「まぁ、気のせいだろう」と思いなが、しゃがんでいると、今度は背中越しにハッキリと、何者かの気配を感じたそうです。
その気配について聞いたところ…
始めは少し後方に立っていた「それ」が、少しずつAの背中に近づいて来るのがリアルに感じ取れ、視覚で捉えていなくても、その存在はハッキリと確認出来たとのことでした。
トイレという狭い空間の中で、しかもパンツを下ろした無防備な体勢で背後から迫られた時の危機感は想像を絶する恐怖だったと思いますが、Aはある種、諦めざるを得ないで、グッと歯を食いしばり、気持ちだけは確かに持とうと開き直るしかなかったのですが…
次の瞬間!
スーッっと冷たい空気がAの背中に近づいてきました。
「おぶさってくる・・・」
そう感じたAの身体は、全身が硬直しました。
「冷た・・・」
Aの両方の肩にワイシャツを通して冷たいものが乗しかかり、やがて、ペタペタペタペタ・・・と、背中全体に冷たい粘着性のものが張り付いて来ました。
「ん~っ・・フーッ、フーッ」と、Aは知らない人が聞いたら、まるで興奮しいるかの様な鼻息を出しながらも、理性だけは失わないように何とか堪えました。
一度動作を早くしてしまった瞬間に恐怖が増大してしまいそうで、Aはゆっくりゆっくり紙を巻き取り、お尻を拭く一連の動作を普段と同様に行う事で、なるべく冷静を保つように努力しました。
その間、Aの腕が動くのも構わず、そいつの手は両方の肩にしっかりと掴まったままで、立ち上がってズボンを上げ、ベルトを締めている間も、それは同様でした。
「ザーッ」と水を流すまでは何とか気を確かに保ち、トイレのドアに手をかけたと同時に、Aの肩に乗っていた手が、ググッと力を込めてきたんです。
「うわっ!!」
トイレを飛び出したAの脚は、長い時間しゃがんでいたのですっかりしびれてしまっていて、第一歩を着いた瞬間に捻ってしまい、前のめりになったAは「ドン」と、目の前の壁に突き当たりました。
しかし、一刻も早く外に出たかったので、そのまま這うようにトイレの建物から出ました。
Aの悪い癖で、気持ちが少し落ち着いた後「また中に入ってみようかな・・・」とも思ったそうですが、あまりの恐怖で、そのまま逃げる様に競馬場を立ち去ったそうです。
この怪奇現象が、冒頭にお話しした事件に関連するかは分かりませんが、競馬場に現れたという事は、何らかの怨念と言うか、無念の最後を遂げられた人からのメッセージだったのかも知れません…
この怪談はYoutuberのTEKKENさんからいただきました。
また同じ内容をYoutubeにもアップしておりますのでご覧ください。