別府湾に沿って走る大幹線道路、別大国道。その山側にひっそりと安置された「手招き地蔵」は、かつてこの地を襲った未曾有の災害の犠牲者を弔うために建立されました。
しかし、今なおその場所には「招かれる」者が絶えないという噂があります。
今回は噂を検証していきましょう。

1. 歴史・背景
1961年(昭和36年)、集中豪雨により高崎山の斜面が大崩落を起こし、走行中の大分交通別大線(路面電車)が土砂に飲み込まれるという悲劇的な事故が発生しました。この事故で多くの命が失われ、その供養のために建立されたのがこの地蔵尊です。
2. ここで起きた事件
- 大分交通別大線・列車埋没事故: 乗員乗客約70名のうち死者31名、重軽傷者36名もの犠牲者を出したこの事故は、大分県の近代史における大きな傷跡です。地蔵はその事故現場のすぐ近くに祀られています。
- 相次ぐ交通事故: 国道の整備が進んだ現在でも、この地蔵の周辺では不可解な自損事故や追突事故が発生しやすいと言われています。
3. 起こる怪奇現象
「視界の端で、石の手が確かに動いた」
- 手招きの幻視: 運転中、地蔵が「おいでおいで」と手招きしているように見え、吸い寄せられるようにガードレールへ衝突しそうになる。
- 不自然な渋滞: 事故も工事もないのに、地蔵の前だけ急にハンドルが重くなったり、ブレーキが効きにくくなる感覚に陥る。
4. アクセス方法
- 場所: 大分県大分市神崎(別大国道沿い、高崎山自然動物園付近の山側)
- アクセス: 大分方面から別府方面へ向かう車線の左側(山側)に位置します。
- 注意点: 交通量が非常に多く、スピードも出やすい区間です。路上駐車は大変危険ですので、徒歩や安全な場所からの調査を厳守してください。
5. 現地での注意事項
- 運転中の注視厳禁: 地蔵を確認しようとして脇見運転をすると、文字通り「手招き」に導かれて事故を起こす危険があります。
- 敬意を忘れない: あくまで犠牲者の供養のための仏様です。冷やかしやふざけた態度は厳禁です。
- 夜間の探索: 街灯はありますが、背後の高崎山からの冷気と海からの湿気が混ざり合う夜間は、霊的な感受性が高まりやすいため注意が必要です。
6. 裏の顔:泥に沈んだ「行先」
地蔵が手招きしているのは、事故で亡くなった人々が「今もなお路面電車の到着を待っているから」だという説があります。彼らは自分たちが死んだことに気づかず、通りかかる現代の車を「迎えの電車」だと思い、乗り込もうと手を上げ続けているのかもしれません。
7. 地元住民のインタビュー
「元・運転手の男性(70代)」
「事故があった当時は、それは酷いもんだった。あそこに地蔵が立ってからも、雨の日なんかは特に空気が重い。あそこを通る時は、今でも必ず心の中で手を合わせるよ。そうしないと、なんだか後ろを引っ張られるような気がしてね。」
「心霊スポットに詳しいタクシードライバー(50代)」
「雨の夜に高崎山の下を通る時は気をつけなさい、と言い合っています。昔、あそこで拾った客が『電車が遅れて困る』と言うんだ。おかしいな、ここはもう電車なんて走ってないのに、と思った瞬間、バックミラーから消えていた。あそこはまだ、昭和36年のまま時間が止まっている場所があるんだよ。」


